釣行帰りによく寄る店に小田原・早川にある干物専門店「山安」がある。小田原厚木有料道路の小田原ＩＣ手前の干物屋が連立するいわば干物街道の中で、いつも一際人集りが絶えない。創業１４０年の伝統ある山安の干物は我が家の近くのスーパーにも卸しているほどシェアが広い有名店である。その水揚げや加工途中でちょっと尾が切れたものなど、よ〜く見ればほんの少しだけ規格外？と思われる箇所があるだけで、味は一流でも三流扱いされてしまう所謂「キズもの」とされるものを「キズパック」と称して激安で売っているのだ。特に自分がブームとしているのはデカキンメの味醂干し。自宅のコンロで一枚を焼くにも窮屈に納めなければならないくらいの大きさで、味もほんのりしたみりんと醤油の味が肉厚のキンメの身に合って堪らない。旬のいい素材を扱ってこそ干物も活きてくるというもの。その日によってお得な魚種も変わってくるので、訪れる度に楽しみも増してくるのだ。釣れようが釣れまいが釣果に関係なくどうしても寄りたくなってしまうファンは、きっと釣り師の中でも多いのではないのだろうか。
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